オフィス移転の際、業者に事前に伝えておくとスムーズなこととは?
オフィス移転の当日は、大量の荷物を効率よく搬送し、新オフィスで速やかに業務が始められるようセッティングしなければなりません。複雑な移転作業をスムーズに進めるには、事前に業者と充分に連絡を取り、準備しておくことが大切です。この記事では、オフィス移転当日に向けて、業者に事前に伝えておいた方がよいことを解説します。
荷物量をしっかりと伝えよう
オフィスの荷物には、机、椅子、書庫、パーティションなどの什器、パソコンなどのOA機器、コピー機などのリース物品、書類・書籍などがあります。
このうち什器については、移転を機に一部新たに購入する場合が多く、すべての什器を移転先でも使うケースは少ないです。移転先のレイアウトが決まったら、新規で導入する什器と現オフィスから搬入する什器のリストを作成し、荷物量を業者に伝えましょう。
コピー機などのリース用品についても、引き続き借りるかどうかを検討し、リース会社に確認の上で搬送あるいは返却を判断しましょう。リース機器の移設は、指定業者でなければできない場合もあるので、合わせてリース会社に確認しましょう。
運ぶ前に業者とナンバリングを確認しよう
荷物を移転先にスムーズに搬送するため、荷物のナンバリングをします。まずは新、旧のレイアウト図を用意し、図の中の机やキャビネット類などの什器に対応する番号を書き込みます。新たに購入する什器には、新レイアウト図内で色分けをして番号を振っておくとわかりやすいです。
次に、レイアウト図に付けた番号を、実際の什器・備品に張り付けます。業者から部署名や番号を書き込めるナンバリングステッカーをもらえるため、見えやすい場所に貼り付けていきましょう。机・椅子・パソコンなど、同じ場所にセットになるものは、同じ番号にします。
パソコンは本体とモニターにのみステッカーを貼り、マウスや配線類はダンボール等にまとめて入れ、箱にステッカーを張っておきましょう。移転前日までには荷造りを終わらせ、運ぶ前に業者とナンバリングを確認しましょう。移転当日は、新オフィスにナンバリングしたレイアウト図を貼りだしておくとスムーズです。
旧オフィスの原状回復工事と不用品の確認
新オフィスに荷物を搬送した後、旧オフィスでは原状回復工事を行います。また不要となった什器・備品の処分も廃棄する事業者の責任で進めなければいけません。移転後速やかにこれらの作業を進められるよう、移転前に業者と確認しておくべき点を解説します。
■旧オフィスの原状回復工事
旧オフィスをオーナーに引き渡す前に、入居した時の状態に戻す原状回復工事を行います。工事期間の目安は一ヶ月程度です。費用は100%借主負担で、「床板の張替え」「天井の再塗装」など、必要な工事の内容は賃貸契約の特約に記載されていることが一般的です。
原状回復工事の施工業者も契約書で指定されている場合が多いですが、業者の指定がない場合は自社で選定します。いずれの場合も、どこまで原状回復するのか、工事の内容や範囲を業者とよく確認しましょう。
また、見積書の内容も精査し、適正な価格かどうか相場と比較しましょう。オフィスによっては工事可能な時間や曜日が限定されることがあるので、業者に伝え、余裕を持ったスケジュールを立ててください。
■不用品の処分
オフィスから出る大型の廃棄物は、産業廃棄物として専門の業者に処分してもらう必要があります。移転作業を行う業者には不用品の買い取りや廃棄のサービスも請け負っているところがあるので確認してみましょう。
多少割高であっても、別の業者を探して依頼するよりは手間がかからず、効率よく作業を進められる場合が多いです。不要品を処分することで荷物を減らし、移転にかかる時間や労力を抑えることにもつながります。業者に廃棄する荷物のリストを渡し、見積もりを依頼しましょう。
移転業者が不用品処分を請け負っていない場合は自社で処分業者を手配しなければなりませんが、違法な業者に依頼すると刑罰が科される可能性もあります。自治体のホームページを見て、産業廃棄物処理業者として許可を得た業者かどうかを確認しておきましょう。
また、適切な料金か、マニュフェスト(産業廃棄物管理票)を交付しているかといった視点で複数の業者を比較し、納得のできる業者に依頼しましょう。
搬入口・ルートの確認
大きなソファやテーブル、背の高いスチールラックなどの大型の什器は、搬入経路の幅、高さ、構造によっては運び入れられない可能性があります。分解したり折りたたんだりして搬入する可能性もあるので、大型の什器については業者に現物を見せた上で搬入口・搬入ルートを確認しておきましょう。
とくに新たに購入する什器については連絡を忘れがちです。販売店からいつどのように搬入され、どのようにセッティングするのか、移転業者に連絡しておきましょう。
オフィス移転日の前後は、移転作業だけでなく関係各所への連絡手続きなどもあり、大変慌ただしくなります。大量の荷物の運搬と配置をスムーズに進めるために、オフィス移転業者と事前に充分に打合せを行い、ナンバリングや搬入方法などを確認しておきましょう。
また、原状回復工事や不用品の処分についても移転後に速やかに進められるよう、移転する前の段階で業者としっかり確認しておきましょう。